1. オリゴ糖とは
オリゴ糖とはビフィズス菌のえさとなって、腸内環境を良くしてくれるものです。
オリゴ糖と一口に言っても、色々な種類があります。オリゴ糖というのはそもそも、「3種類以上の糖分が結びついてできたもの」という意味だからです。
代表的なオリゴ糖については以下の通りになります。
★ガラクトオリゴ糖
牛乳に含まれる乳糖とガラクトースが結合してできたオリゴ糖です。
乳糖をアルカリ処理することで、作られます。
砂糖の40%くらいの甘味があります。
★イソマルトオリゴ糖
みそやしょうゆ、はちみつなどに含まれるオリゴ糖です。
安価なオリゴ糖シロップが売られていますが、こうしたものは、このイソマルトオリゴ糖から作られたものが多いです。
甘みは砂糖の半分くらいで、熱や酸にも強いです。
料理につかいやすく、摂取しても虫歯になりにくいのがメリットです。
★フラクトオリゴ糖
玉ねぎやごぼう、アスパラガスなどに含まれています。
イソマルオリゴ糖よりも少し高いですが、シロップ状のものがよく販売されていますね。
オリゴ糖はいずれも、砂糖に比べると同じ重さで比べた場合、カロリーは半分くらいになるものがほとんどです。
しかし、低カロリーだし、健康にもいいから、大量にオリゴ糖を使っていいのかというと、そうでもありません。
オリゴ糖はカロリーが低い分、甘味も少ないです。
だから、砂糖と同じくらい、それ以上の甘味をだそうとすると、摂取カロリーが砂糖とそれほど変わらなくなってしまいます。
オリゴ糖は、ビフィズス菌のえさになるまで体内で吸収されにくいという特性があるので、実際のカロリー表記よりも実際の吸収カロリーは少なくなります。
しかし、砂糖よりは低カロリー、低吸収ということにすぎないのです。
オリゴ糖だから、いくら食べても太らない! とは思わないようにしましょう。
砂糖がわりに、オリゴ糖を使えるところは使う、というようにすることで、全体の糖分摂取量を、あまり増やしすぎないようにすることが大切です。
オリゴ糖は、便秘解消のためには、ぜひ摂取したいものです。
でも、便秘解消のためだからと、オリゴ糖を大量に摂取していたら、太ってしまった! なんてことは無いようにしたいですね。
もちろん、便秘解消のためには、オリゴ糖の摂取と、食物繊維の摂取の両方を行っていく必要があります。
これらにより、善玉菌を増やして、腸内環境を整えることができるようになるのです。
オリゴ糖は、スーパーマーケットなどで、甘味料として売られています。
砂糖替わりに、料理の甘味のかわりに使うのもいいですし、ヨーグルトにかけたりして使うのも良いでしょう。
また、通販などで、甘味のないオリゴ糖と言うのも売られていたりします。
こうしたものを選ぶと、カロリーオーバーを気にすることなく、腸内環境改善に役立てられますね。
サプリメントになっていて、コーヒーや料理に溶かして使うものなどがあります。
2. オリゴ糖の効果
オリゴ糖は、善玉菌のえさとなり、善玉菌を増やして、元気にするという効果があります。
善玉菌の代表格となるのがビフィズス菌です。
ビフィズス菌は、オリゴ糖と一緒に摂ると良い、と言われています。
オリゴ糖はその名の通り、糖分です。
他にもいろいろな糖分があるのに、なぜオリゴ糖がいいと言われているのでしょうか。
その理由は、腸まで届いて、ビフィズス菌のえさになれるからです。
他の糖では、このはたらきをすることができません。
糖分というのは、どれも同じような構造をしているわけではありません。
オリゴ糖は、他の糖分よりも、構造が複雑だったりします。
オリゴ糖は、複数の糖分で」が結びついてできているからです。
果糖やブドウ糖、ガラクトースなど、3種類以上の糖分が結びついて、オリゴ糖になります。
複数の糖分が結びついてオリゴ糖になることは、メリットがあります。
単体構造の他の糖分と違い、消化されにくいのです。
消化されにくいので、腸までしっかり届くんですね。
腸にオリゴ糖が届くと、ビフィズス菌が食べてくれます。
オリゴ糖は、ビフィズス菌の大好物です。悪玉菌はオリゴ糖が好きではないので、あまり食べません。
腸内環境を改善しようとして、オリゴ糖ではなくビフィズス菌そのものを食べる、という方法があります。
例えば、ヨーグルトにはビフィズス菌が含まれています。
だから毎朝ヨーグルトを食べて便秘解消に努めている、という人も多かったりします。
でもビフィズス菌は、死滅しやすいので、せっかくヨーグルトを食べても腸に届く前に死滅して、働かなくなってしまっていることが多いです。
だから、腸まで生きていることの難しいビフィズス菌そのものを摂取するよりも、腸内にいるビフィズス菌のえさになるオリゴ糖、腸に届くまで消化されにくいオリゴ糖を摂取したほうが、便秘解消には役立てやすいということが言えます。
オリゴ糖は、善玉菌しか食べないものですから、効率よくビフィズス菌専用のエサとすることができます。
ビフィズス菌そのものが元気になるだけではなく、腸内でその数を増やすことが一番です。
ビフィズス菌を元気にするエサとしては、オリゴ糖が一番注目されています。
オリゴ糖は、ビフィズス菌を元気にするというアシスト役を果たします。
オリゴ糖がなければ、ビフィズス菌はひとりでがんばらないといけなくなってしまいます。
ビフィズス菌そのものにゲンキがなくなってしまいます。
よほど多くの数を摂取して、頑張らない限り、悪玉菌に勝つことはできなくなるのです。
仮に、一時的にビフィズス菌をたくさん摂取しても、腸内での寿命が短いので、オリゴ糖というエサをもらって増殖できなければ、すぐ不足してしまいます。
もちろんその逆も言えて、ビフィズス菌がほとんどいない状態でオリゴ糖だけを摂取しても、エサだけ余るという状態になってしまいますから、ビフィズス菌とオリゴ糖、両方を摂取することが大切と言えます。
3. オリゴ糖を食事に取り入れて便秘解消!
オリゴ糖は、腸内に届いてビフィズス菌のエサになるものです。
だから、摂取することで腸内環境が正常化されて、便秘解消に役立ちます。
オリゴ糖をどんどん摂取して、お通じをスムーズにしたいですね。
オリゴ糖をムリなく摂取するのには、砂糖の代わりに使う、というのが一番手軽です。
コーヒーや紅茶に入れて飲むという方法です。
でも、それ以外にも、いろいろな方法で、オリゴ糖を摂取する方法はあるんです。
たとえば、料理に使うという方法です。
毎日の食事を使う時に、オリゴ糖を使います。
オリゴ糖は料理に使いやすい甘味料ですから、どんどん使っていただきたいです。
オリゴ糖の多くが、砂糖と同じくらいから、それ以上に熱に対して強く、安定性がある、という特徴があります。
加熱する料理に使っても味が変わらず、糖度も落ちません。
だから、料理でも砂糖の代わりに使える、というわけです。
他の甘味料ではこうはいきません。
果糖や人工甘味料のアステルパームなどは、熱に弱いです。
オリゴ糖を料理に使う具体的な方法ですが、ごく普通に、砂糖の代わりに使うという方法があります。
オリゴ糖は砂糖よりも甘味が弱いので砂糖よりも少し多めに入れると良いですね。
みりんの代用としても使えます。
オリゴ糖と料理酒を足せば、みりんに近い味になります。
砂糖やみりんを使うメニューは煮物系で多いので、煮物にはオリゴ糖を必ず使うようにするだけで、かなり摂取できるようになります。
オリゴ糖をご飯に入れることもできます。
ポイントは、炊飯器に水をいれるとき、オリゴ糖をよく混ぜ、完全に溶かしてから入れる、ということです。
それさえ守れば、あとは普通に炊飯しても大丈夫です。オリゴ糖入りのごはんは、やさしい甘みが出て、ご飯のおいしさを引き立ててくれます。
味の面でも、よりよくなります。
オリゴ糖を食事に使う時は、3食で使うようにしましょう。
夕食だけ大量にオリゴ糖を使うよりも、少量でも、3回の食事全てにオリゴ糖を入れたほうが、便秘に効きます。
腸内のビフィズス菌のことを想像してください。
オリゴ糖は、腸内にいるビフィズス菌のエサになるのです。
ビフィズス菌にとって、一度に大量のエサが来るよりも、1日3回、分けてエサをもらえたほうが、食べきることができるので、ムダになりにくくなります。
また、体質によっては、一度に多量にオリゴ糖を摂取してしまうと、おなかがゆるくなってしまうこともあります。
食事の糖分の全てをオリゴ糖に変える、と気負って考えすぎず、あくまで毎日の食材の1つの選択肢として、気軽に使うことが、オリゴ糖を食事で使うことによる便秘解消に一番役立つやり方かと思います。
3食で、どれかひとつのおかずまたはごはんでオリゴ糖を使う、と考えておくと、続けやすいのかなということです。
ひとつの方法だけで摂取していると、どうしても飽きがくるので、いろいろな方法を試してみると良いですね。
4. オリゴ糖とヨーグルトで便秘解消
オリゴ糖は腸内環境正常化に役立つビフィズス菌を活性化してくれます。
ビフィズス菌のエサになるので、摂取することで、腸内環境を正常化し、便秘解消に役立つのです。
このオリゴ糖と、ビフィズス菌を含むヨーグルトを一緒に摂取することで、便秘解消効果はぐんと高まります。
ビフィズス菌が腸に届いたときに、すぐエサを貰える状態だから、ビフィズス菌にとっては天国の環境です。
ビフィズス菌と、無糖ヨーグルトを一緒に食べるようにしましょう。
無糖ヨーグルトの甘味としてオリゴ糖を使います。
とはいえ、ビフィズス菌は酸に弱いため、胃酸にやられてしまい、腸に届くまでにほとんどが死んでしまう、という欠点もあったりします。
死んでしまったビフィズス菌も、全くムダになるというわけではなく、腸内の掃除にある程度役立ってはくれます。
でも、生きたまま届かないと、死んだビフィズス菌は、餌となるオリゴ糖を食べることはできません。
普通のヨーグルトだと、だいたいこのような状態になります。
オリゴ糖だけが生き残って、オリゴ糖を食べてくれるはずのビフィズス菌が足りない、せっかく与えたエサがムダになってしまう、ということになります。
そのような事態を避けるためにも、ビフィズス菌を生きたまま腸まで届けられるように工夫されているヨーグルトを選ぶようにしましょう。
商品パッケージに「消費者庁許可 特定保健用食品」のマーク、つまりトクホマークが付いているものを選びます。
トクホマークがある上で、「生きたまま腸に届く」と記載されているものを選びましょう。
ちなみに、特定保健用食品(トクホ)とは、特定の効果が証明されていて、消費者庁長官がその効果の表示を許可した食品のことを言います。
「生きたまま腸に届く」と記載があるトクホなら、生きたまま腸に届く作用が証明されています。
だから信用できるのです。
ビフィズス菌を生きたまま腸に届けられるかどうかで、オリゴ糖のサポート効果も大きく違ってきますから、トクホマークは要チェックです。
ヨーグルトと言えば、冷蔵庫に入れて、冷たいまま食べる、というのが一般的ですが、敢えて温かいヨーグルトを食べることをおすすめします。
ある程度加熱することで、腸内に元々存在する善玉菌を活性化させることができるのではないか、というのが近年の研究で明らかにされているからです。
オリゴ糖を入れたヨーグルトを、レンジで少し温めてから食べると、効果的かもしれません。
500ワットのレンジなら、ヨーグルト100グラムに対して、だいたい30~40秒くらい加熱すると良いでしょう。
ヨーグルトに、さらにオリゴ糖をプラスしても良いですね。
腸内で便のかさをふやしてくれる食物繊維を加えて食べれば、便秘解消に、さらに役立てられます。
ヨーグルトによく合う食物繊維入り食品には、バナナやきな粉、ドライフルーツなどがあります。
5. オリゴ糖入りスポーツドリンクで便秘解消!
暑い日々が続くようになりました。便秘解消も、スカッと気分よくできる方法でやってみたいですよね。
スカッとしたいとき、市販の清涼飲料水に頼るのではなく、自家製のオリゴ糖入りすっきりドリンクを作って、飲んでみると良いかも知れませんよ!
暑い日の定番ドリンクと言えば、スポーツドリンクです。
汗をかくと、対外に出てしまった塩分を補給できます。
そして体に吸収されやすくなります。
このスポーツドリンクを、オリゴ糖を使って、自作してみましょう!
~オリゴ糖入りスポーツドリンクの作り方~
★材料
・水500㏄
・レモン汁または食用クエン酸粉末少々
・オリゴ糖小さじ2杯
・はちみつ小さじ2杯
・塩小さじ1/4
★作り方
これらを全て、よく混ぜ合わせるだけで、自家製スポーツドリンクが出来上がります!
この自家製スポーツドリンクには、オリゴ糖だけではなく、はちみつも入れます。
この点について、不思議に思われるかもしれません。
これはなぜかというと、オリゴ糖だけを入れてしまうと、たくさん入れすぎることで、お腹がゆるくなる人もいるからです。
スポーツドリンクは、冷たい状態で飲むものです。
冷えると甘味が増すはちみつを使えば、砂糖よりも少ない量でも甘味を感じられるようになります。
砂糖よりも低カロリーになる、というメリットがあります。
塩を入れますが、これは天然塩がおすすめです。
天然塩はミネラルが豊富です。
天然塩を使うと、多少のミネラル摂取もできるようになるので、なお良いのです。
暑い日に飲みたいドリンクと言えば、スポーツドリンクのほかに、炭酸飲料が挙げられます。
炭酸飲料も普通に買うのではなく、手作りすることができます!
~オリゴ糖入り炭酸飲料の作り方~
★材料
・炭酸水
・オリゴ糖
・果糖
・レモン汁
★作り方
それぞれを適量ずつ入れて混ぜるだけで、簡単に炭酸飲料ができます!
レモンスカッシュみたいな味になります。
オリゴ糖入りスポーツドリンクや炭酸飲料なら、飲むのも楽しいし、続けられますよね。続けることが便秘解消の近道となります。
毎日美味しく飲んでいると、知らないうちに便秘解消できていた! というのが最高です。
手づくりで炭酸飲料を作ると、香料や保存量、着色料などの添加物を摂取してしまうのを防ぐことができます。
また、市販の炭酸飲料よりも糖分が少ないものができるので、カロリーセーブにもやくだちます。
炭酸水を飲むと、便秘解消に役立つので、スポーツドリンクよりも炭酸飲料のほうを、おすすめしたいです。
炭酸を飲むと、胃腸が刺激されて、動きが活発になります。だから、便秘解消しやすくなるのです。
腸内で善玉菌のえさになるオリゴ糖と、腸内を活発にする炭酸水の、ダブルの効果で便秘解消できるというわけです。
ただし、腹痛があったり、便秘と下痢を繰り返していたりするような、けいれん性の便秘には、炭酸の刺激は向かないので、飲まないようにしましょう。