1. ビタミンACEで紫外線対策
紫外線対策で大切なのが、体の中で増えた活性酸素の除去です。
美肌を保つためには、積極的に抗酸化物質をとることが大切なんですよ。
そこで今回は、抗酸化物質の中でも特に美肌に効果的なビタミンACE(エース)の働きや効果についてお伝えします。
★体の抗酸化力は加齢によって衰える
活性酸素は、体を守るために必要ですが、増えすぎると逆に細胞を攻撃するようになり、老化や健康に悪影響を与えます。
紫外線やストレス、喫煙、食品添加物の摂りすぎなどで、活性酸素は大量に増えてしまうんですよ。
そのため、体の中には、増えすぎた活性酸素を取り除くシステムがもともと備わっています。
しかし、この活性酸素を取り除くシステムは、30代を境に低下していきます。
つまり、肌や体を活性酸素から守るためには、積極的に活性酸素を取り除く抗酸化物質を食べることが大切なのです。
★ビタミンACE(エース)は美肌を育む抗酸化物質
抗酸化物質には様々な成分がありますが、特に美肌に効果を発揮するのが、ビタミンACEです。
ビタミンACEは、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEの3つのビタミンのことを指します。
ビタミンAの前駆体であるβ-カロテンとビタミンC、ビタミンEには、活性酸素を強力に除去する働きがあり、抗酸化ビタミンとも呼ばれているんですよ。
それだけではなく、これら3つの抗酸化ビタミンには、以下のように美肌を維持するための働きが秘められています。
・ビタミンAの効果
ビタミンAは肌や粘膜を健康に保つために、必要なビタミンです。
ビタミンAを過不足なく摂ることで、潤った健康的な肌を保つことができます。
・ビタミンCの効果
ビタミンCは、コラーゲンを作るときに必要なビタミンです。
また、シミを予防したり目立たなくする働きもあります。
肌のハリツヤや美白を維持するために、積極的に摂りたいビタミンなんですよ。
・ビタミンEの効果
ビタミンEは、「若返りのビタミン」とも呼ばれており、美肌だけではなく、老化防止や不妊改善などに効果を発揮します。
血流を良くする働きがあるため、肌の生まれ変わりを活性化し、透明感のある美肌を育んでくれます。
★ビタミンACEは一緒に摂ることが重要
ビタミンACEで紫外線対策をし、美肌を育むためには、「一緒に摂る」ことが大切です。
ビタミンACEは、一緒に摂ることで効果が高まり、より効率よく活性酸素を除去できるんですよ。
・ビタミンACEは働く場所が異なる
ビタミンACEは、働く場所がそれぞれ異なります。
ビタミンCは、水に溶ける性質があるため、主に血液や体液、細胞の中で働きます。
一方で、油に溶けるビタミンAとEは細胞膜などで主に働き、ビタミンAはさらに核内で働くこともできます。
このように働く場所が違う抗酸化ビタミンを一緒に摂ることで、より効率よく体内の活性酸素を取り除けるんですよ。
・ビタミンACEは協力し合って働く
ビタミンACEは、協力し合って働いています。
ビタミンEは活性酸素にくっついて、活性酸素を無毒化します。
実は、ビタミンCには、働いた後の使い物にならなくなったビタミンEを復活させる作用があるんですよ。
また、ビタミンAの前駆体であるβ-カロテンは、紫外線によって発生する一重項酸素と呼ばれる強力な活性酸素を除去する働きに優れています。
ビタミンACEはそれぞれ得意不得意が異なり、様々な働き方をすることで、お互いの抗酸化作用を高めているのです。
★ビタミンACEを一気に摂れる食材
ビタミンACEを一気に摂れる食材には、以下のものが挙げられます。
・かぼちゃ
・ピーマン
・ブロッコリー
緑黄色野菜に豊富に含まれているので、積極的に野菜を食べてくださいね。
2. ビタミンAを効率よくとる方法と注意点
ビタミンAは、肌と粘膜を健康に保ち、美肌を育んでくれる動物性ビタミンです。
実は、ビタミンAには大きく2つのタイプがあり、摂取するときに注意が必要なんですよ。
そこで今回は、ビタミンAを効率よく摂るための方法と注意点についてお伝えします。
★ビタミンAは動物性と植物性がある
ビタミンAには、動物由来のものと植物由来のものの2タイプがあります。
レバーなどの動物性の食品に多く含まれるビタミンAは、レチノールと呼ばれています。
一方で、緑黄色野菜などにもビタミンAは含まれています。
植物性の食品に含まれるビタミンAは、カロテンと呼ばれており、にんじんなどの野菜の色を出す成分として知られています。
★カロテンは必要な分だけビタミンAになる
カロテンはプロビタミンAと呼ばれており、体の中に入るとビタミンAに変換されます。
ここで注目したいのが、食べたカロテンの一部のみがビタミンAに変わるという点です。
カロテンは、必要な分だけ体の中でビタミンAに変えられるんですよ。
つまり、カロテンをたくさん摂っても過剰による副作用の心配はないのです。
★動物性と植物性を半分ずつ摂ろう!
一方で、動物性食品に多く含まれるレチノールは、肝臓に蓄積される性質があります。
そのため、レチノールを摂りすぎると、以下のような副作用が引き起こってしまいます。
・肝臓肥大
・頭痛
・吐き気
・脱毛
しかし、レバーなどの動物性の食品には、野菜よりも豊富な量のビタミンAが含まれているので、ビタミンAの重要な供給源でもあります。
過剰摂取による副作用を避けるためにも、動物性のレチノールと植物性のカロテンを半々ずつ摂るようにしましょう。
★ビタミンAは油と一緒に摂る
ビタミンAを効率よく摂るためには、油と一緒に食べるようにしましょう。
ビタミンAは脂溶性ビタミンの一つで、油に溶ける性質があります。
そのため、油と一緒に食べることで、体の中に吸収されやすくなるんですよ。
一方で、ビタミンAは熱に少し弱い特徴があります。
ビタミンAを摂るときは、高温で長時間調理することは控えて、油で炒めたり、油を使ったドレッシングをかけて食べたりすると、効率よく摂れますよ。
★ビタミンAの摂取目安量
ビタミンAの量は、レチノール活性当量といって、カロテンなどをレチノールの量に換算して表します。
ビタミンAの1日あたりの摂取目安量は、以下の通りです。
・成人の男性:850μgRAE
・成人の女性:650μgRAE
ビタミンAは、前述した通り、過剰摂取に気をつけなければいけません。
副作用を起こさないビタミンAの上限量は、2700μgRAEです。
★ビタミンAを多く含む食品
最後に、ビタミンAを効率よく摂れる食品をご紹介します。
ビタミンAを多く含む食品と、食品100gあたりのビタミンAの含有量(レチノール活性当量)は以下の通りです。
・豚のスモークレバー 17000μgRAE
・にわとり 生レバー 14000μgRAE
・味付けのり(あまのり) 2700μgRAE
・抹茶 2400μgRAE
・パセリ(乾燥) 2300μgRAE
・玉露 1800μgRAE
・うなぎの蒲焼き 1500μgRAE
・にんじん(油炒め) 1000μgRAE
・モロヘイヤ(生) 840μgRAE
動物性のレチノールを摂る場合はレバーやうなぎを、植物性のカロテンを摂る場合はにんじんやのり、モロヘイヤなどを食べるとよいでしょう。
また、お茶類にも豊富に含まれているので、お茶を飲む習慣をつけるといいですね。
3. ビタミンCを効率よくとる方法と注意点
ビタミンCはシミを防いで肌を美白してくれるだけではなく、コラーゲンの合成をサポートして肌のハリを保ってくれる優秀な美容成分です。
ビタミンCは塗っても食べても美容に効果的ですが、食べる場合、いくつかのポイントを守らないと効率よく摂れません。
そこで、今回はビタミンCを効率よくとる方法と注意点についてお伝えします。
★ビタミンCはすばやく調理する
ビタミンCは水溶性ビタミンの一つであり、水に溶け出る特徴があります。
そのため、水に長い間浸したり、茹でたりすると、ビタミンCが抜け落ちてしまいます。
ビタミンCをしっかり摂るためには、すばやい調理が大切です。
野菜や果物を洗うときは手早く洗いましょう。
加熱も短時間におさめ、茹でた場合はスープなどにして茹で汁も飲むようにしてくださいね。
★ビタミンCはこまめに摂る
ビタミンCは一気に大量に摂っても、しっかりと吸収できませんし、必要量以外は体の外に排泄されてしまいます。
また、摂ったビタミンCは体の中に貯蔵することができず、数時間で尿と一緒に出てしまいます。
そのため、ビタミンCは一気に摂るよりも、少量ずつに分けてこまめに摂る方が、効率よく働かせることができるんですよ。
★ビタミンCは朝と夜に摂る
ビタミンCを摂るタイミングとしては、朝と夜がおすすめです。
朝にビタミンCを摂ることで、紫外線によって増える活性酸素から肌を守ることができます。
また、夜寝る前に摂ると、ビタミンCをより長く体内に留めて、コラーゲンの合成をサポートすることができるんですよ。
どうしても1日に1回しかビタミンCを摂れないのであれば、より体内に留まる夜寝る前がおすすめですよ。
★ビタミンCは食後に摂る
ビタミンCは食前よりも食後に摂るようにしましょう。
お腹が空いている食前に摂ると、ビタミンCはスピーディーに吸収され、スピーディーに排出されてしまいます。
食後のお腹がいっぱいのときに摂ることで、吸収も排出もゆっくり行われるようになり、より効率よく体の中に取り入れられるんですよ。
★ビタミンCはビタミンPと一緒に摂る
ビタミンCの働きをサポートしてくれる成分があります。
それが、ビタミンPです。
ビタミンPはビタミンではなく、ポリフェノールの一つです。
ビタミンCを安定させて、ビタミンCの働きを増強してくれる効果があるんですよ。
ビタミンPには、みかんなどの柑橘類に多く含まれるヘスペリジンや、そばに多く含まれるルチンなどが挙げられます。
ビタミンCを摂るときは、ビタミンPが含まれる食品も一緒に摂るようにするといいですよ。
★ビタミンCの摂取目安量
ビタミンCの1日あたりの摂取目安量は、男女ともに100mgです。
しかし、以下の習慣がある人はビタミンCが消耗されやすいので、より積極的に摂るようにしてください。
・喫煙
・飲酒
・ストレスが多い
・激しい運動をする
★ビタミンCを多く含む食品
最後に、ビタミンCを豊富に含む食品をご紹介します。
ビタミンCを多く含む食品と、食品100gあたりのビタミンCの含有量は以下の通りです。
・ケール(青汁) 1100mg
・パセリ(乾燥) 820mg
・せん茶 260mg
・グァバ 220mg
・焼きのり 210mg
・赤ピーマ(炒め) 180mg
・芽キャベツ(生) 160mg
・ゴールドキウイ 140mg
・アセロラジュース(果汁10%) 120mg
ビタミンCは果物に多いというイメージがありますが、ピーマンやお茶からも多く摂ることができるんですよ。
特に日本茶には、ビタミンACEが揃っているので、おすすめですよ。
4. ビタミンEを効率よくとる方法と注意点
ビタミンEは強力な抗酸化力に加えて、血流を良くする働きがあるため、美容や不妊分野で注目されている成分です。
しかし、食品だけではなくサプリメントからビタミンEを摂る場合、いくつか注意点があります。
そこで今回は、ビタミンEを効率よく摂るための方法と注意点についてお伝えします。
★ビタミンEは植物油と一緒に摂る
ビタミンEは、脂溶性ビタミンの一つであり、油に溶ける特徴があります。
また、ビタミンEはひまわり油などの植物油にも豊富に含まれています。
そのため、植物油と一緒に料理して摂ることで、効率よく体の中に取り入れることができます。
★酸化した油でビタミンEはダメになる!
油と一緒にビタミンEを摂るときには、注意点があります。
それは、新しい油を使うということです。
古い油は、空気に触れたり加熱されたりすることで、酸化されています。
酸化された油と一緒にビタミンEを摂ると、ビタミンEも酸化され、効果がなくなってしまいます。
ビタミンEを摂るときは、フレッシュな油を使うようにしましょう。
★ビタミンEは鉄分と一緒に摂ってはいけない
ビタミンEは食べ合わせに注意が必要な成分があります。
それは、鉄分です。
鉄と一緒にビタミンEを摂ると、ビタミンEが酸化されてしまい、効果がなくなってしまうのです。
鉄が多く含まれるほうれん草やプルーンなどは、8時間程度間隔をあけて摂るようにしてくださいね。
★ビタミンEはビタミンCと一緒に摂る
鉄とは逆に、ビタミンEと同時に摂りたい成分がビタミンCです。
ビタミンCには、酸化されて効果を失ったビタミンEを復活させる働きがあります。
ビタミンEとビタミンCを一緒に摂ることで、ビタミンEの働きを長持ちさせられるんですよ。
★ビタミンEは天然のものを摂ろう!
ビタミンEはサプリメントからも摂ることができます。
そのときに注意してほしいのが、ビタミンEのタイプです。
実はサプリメントに含まれているビタミンEには、次の3つのタイプがあるんですよ。
・天然ビタミンE(d-α-トコフェロール)
植物油から取り出したビタミンEをそのまま安定化させたもの。
・天然型ビタミンE(酢酸d-α-トコフェロール)
植物油からビタミンEを取り出した後、酢酸をくっつけて安定させたもの。
・合成ビタミンE(酢酸dI-α-トコフェロール)
化学反応によって人工的に作ったもの。
3つのビタミンEは働く強さが異なります。
天然ビタミンEが一番よく働き、続いて天然型、合成のビタミンEが最も効果が低くなります。
サプリメントからビタミンEを摂るときは、天然ビタミンEを選ぶようにしましょう。
★ビタミンEの摂取目安量
ビタミンEの1日あたりの摂取目安量は、以下の通りです。
・成人男性:6.5mg
・成人女性:6.0mg
ビタミンEは食品から摂る分には過剰摂取の心配はほとんど必要ないのですが、サプリメントを利用する場合は注意が必要です。
ビタミンEの摂取の上限量は、以下の通りです。
・成人男性:800~900mg
・成人女性:650~700mg
上限量を超えて過剰摂取すると、骨粗鬆症などのリスクが高まると言われているので注意しましょう。
★ビタミンEを多く含む食品
最後に、ビタミンEを豊富に含む食品をご紹介します。
ビタミンEを多く含む食品と、食品100gあたりのビタミンE(α-トコフェロールの量)の含有量は以下の通りです。
・せん茶 64.9mg
・ひまわり油 38.7mg
・煎りアーモンド 28.8mg
・小麦はいが 28.3mg
・抹茶 28.1mg
・ぶどう油 27.5mg
・かぼちゃ 6.9mg
・モロヘイヤ 6.5mg
ひまわり油などの植物油のほか、アーモンドにも豊富にビタミンEが含まれています。
間食やサラダなどにアーモンドをプラスすると効率よくビタミンEが摂れますよ。