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自律神経って何?ストレスだけじゃない!自律神経が乱れる7つの原因

健康

1. 自律神経って何をしているの?

 

最近テレビや雑誌など、様々なメディアで自律神経という言葉を耳にしますよね。

健康を維持するためには、自律神経が一つのポイントになります

それでは、自律神経は体の中でどういう働きをしていて、どうして健康にとって大切なのでしょうか?

 

自律神経は外部の変化から体を守っている

 

私たちの体は、気温が変化しても、体温を一定に保つことができますよね。

気温と同じように体温が変化してしまうと、生きることなんてできません。

実は、気温のように体の外の世界が変化しても、体の中を一定に保つことができるのは、自律神経が働いているからなんですよ。

自律神経は、気温や気圧、湿度など環境の変化から体を守ってくれているのです。

つまり、自律神経の働きがおかしくなってしまうと、環境の変化に大きく影響を受けやすくなってしまいます

 

自律神経は命を守る司令塔

 

自律神経は、命を守る司令塔としても働いています。

私たちは寝ているときも、心臓を動かし、呼吸をし、内臓を働かせることができますよね。

意識しなくても、24時間生きることができるのは、自律神経が司令塔になって体を働かせてくれているからなんですよ。

また、自律神経は体をスムーズに働かせるために、胃腸の働きやホルモンの分泌、心拍数など、様々な反応をコントロールしています。

つまり、自律神経の働きが悪くなってしまうと、体をスムーズに動かせなくなってしまうのです。

 

自律神経には2種類の神経がある

 

実は、自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の2種類が備わっています。

この2つの神経は、相反する働きをしているんですよ。

 

・交感神経は体をオンにする

 

交感神経は、体をオンにして、心身を活動的にする働きがあります。

昼間によく働き、心と体が興奮状態になったり、不安や緊張、ストレスを感じたときに活発になります。

 

・副交感神経は体をオフにする

 

副交感神経は、体をオフにして、心身を休ませる働きがあります。

夜によく働き、リラックスを感じたときに活発になります。

 

大切なのは2つの神経のバランス

 

交感神経と副交感神経は、真逆の働きを持ちます。

そして、最も大切なことが、2つの神経はバランスを保っているということです。

交感神経と副交感神経は、お互いの働きが釣り合うようにバランスをとりながら働いています

どちらかの働きのみが強くなってしまうと、体はずっと活動しっぱなしになったり、休みっぱなしになり、コントロールができなくなってしまうのです。

「自律神経を整える」とよく聞きますが、これは、交感神経の働きと副交感神経の働きが同じ程度になるようにバランスを安定させたり、昼間は交感神経、夜は副交感神経というように働くべきときに働けるようすることなんですよ。

 

 

2. 自律神経の乱れで出る症状

 

体の中をいつもベストな状態にコントロールしてくれているのが、自律神経です。

「自律神経が乱れる」とよく耳にしますが、これは、交感神経と副交感神経の働くバランスが崩れるということです。

働くべきときに働かなくなったり、どちらか一方の働きが異常に強くなってしまうときに、自律神経が乱れると言います

それでは、自律神経が乱れると一体どのような症状が出てくるのでしょうか?

 

交感神経の働き

 

自律神経の乱れによる症状を理解するには、まず、交感神経と副交感神経が具体的にどういう働きをしているか知っておくと便利です。

交感神経の働きには、次のようなものがあります。

 

・呼吸を激しくする

・汗を出す

・血圧を上げる

・血管を狭める

・心拍数を速くする

・胃腸の働きを抑える

 

交感神経は、一言でいえば「戦うための神経」です。

敵と戦うときの、興奮して緊張した状態を作り上げるんですよ。

怒っているときの状態を想像すると分かりやすいでしょう。

 

副交感神経の働き

 

一方で、副交感神経は、交感神経と真逆の働きをします。

副交感神経の具体的な働きは、次の通りです。

 

・呼吸を穏やかにする

・汗が出ないようにする

・血圧を下げる

・血管を広げる

・心拍をゆっくりにする

・胃腸の働きを高める

 

副交感神経は、「休むための神経」です

敵がいないときに、心身を癒して体をメンテナンスするのです。

眠る前のまどろんだ状態を想像すると分かりやすいですよ。

 

自律神経が乱れるとどんな症状が出るの?

 

2つの神経の働きを見てみると、どちらの働きも生きるためには大切なことが分かりますよね。

そのため、自律神経が乱れてどちらかまたは両方の働きが悪くなったり、活発になりすぎると、体には次のような様々な不調が出てきます。

 

・動悸

・冷え

・頭痛

・めまい

・慢性的な疲労やだるさ

・便秘や下痢

・イライラ

・頻尿

 

自律神経の乱れによって、様々な不調が出てくることを自律神経失調症と言います。

自律神経失調症は、一般的な検査では異常が出にくいため、原因不明の症状として患者を苦しめてしまうのが特徴です。

 

自律神経の乱れは病気も引き起こす?!

 

そして、なんと自律神経の乱れは、病気も引き起こしてしまうんですよ。

自律神経の乱れで発症してしまう病気には、以下のようなものがあります。

 

・過敏性腸症候群

 

腸の動きは自律神経によってコントロールされているため、自律神経が乱れると、腸の動きが過敏になって痙攣したり、動きが悪くなってしまいます。

下痢や便秘を繰り返したり腹痛を伴った下痢または便秘に悩まされている方、緊張するとすぐに下痢になる方は、過敏性腸症候群の可能性があります。

 

・メニエール病

 

自律神経の代表的な症状に、めまいがあります。

中でも吐き気が強くぐるぐる目が回るような激しいめまいを何回も引き起こす病気がメニエール病です。

メニエール病では、耳鳴りや難聴などの耳の異常も起きるのが特徴です。

 

・胃炎

 

自律神経は胃の働きや消化液の分泌もコントロールしています。

そのため、自律神経が乱れると、胃酸が出すぎたり胃の働きが悪くなって胃炎を起こすこともあるのです。

自律神経は体全体の司令塔になっているため、自律神経の働きに異常が出ると、こちらで挙げた病気以外にも、様々な病気のリスクが高まります。

自律神経の乱れを感じたときは、放置せずに早めに対策するようにしてくださいね

 

 

3. ストレスだけじゃない!自律神経が乱れる7つの原因

 

自律神経の働きの異常によって健康を損失しないためにも、自律神経が乱れない生活を心掛けることが大切です。

そのためにも、自律神経を乱れさせてしまう原因を知っておくと便利です。

そこで今回は、自律神経の働きに悪い影響を与える代表的な7つの原因についてお伝えします。

 

原因1 ストレス

 

ストレスを強く感じると、戦うための神経である交感神経ばかりが強く働くようになります。

すると、交感神経と副交感神経のバランスが上手く取れなくなってしまうのです。

 

原因2 不規則な生活

 

自律神経は1日の中で昼に交感神経がよく働き、夜に副交感神経がよく働くなど、一定のリズムを刻んで変化しています。

しかし、人間の体の中のリズムは24時間よりも1時間程度長くなっており、放っておくと外の世界とズレが生じてしまいます。

実は、人の体は自律神経の働きを切替えることで、25時間の体の中のリズムを24時間に修正しているんですよ。

そのため、夜型の生活など生活のリズムが崩れると、自律神経が上手く切り替えられなくなり、リズムが崩れて、自律神経の働きに異常が出てしまうのです。

 

原因3 睡眠不足

 

睡眠は、心身をメンテナンスする時間帯です。

睡眠中にはメラトニンと呼ばれる物質がたくさん出ています

メラトニンには、体のストレスを和らげたり、体のリズムを整える働きがあるんですよ。

そのため、睡眠不足が続くと、ストレスが強くなって交感神経が働きすぎたり、体のリズムが崩れて自律神経が上手く働けなくなってしまうのです。

 

原因4 偏った食生活

 

バランスのよい食事も自律神経を正常に機能させるためには、大切です。

神経を働かせるためには、ビタミンやミネラル、良質な脂質などが必要です。

もちろん、神経も細胞から出来ているので、細胞を働かせるエネルギー源となる糖分や細胞を構成するタンパク質が不足しても、神経の働きに支障が出ます。

特にビタミンB群は自律神経を調整する作用があるので、不足には注意しましょう。

 

原因5 スマホやパソコンの使いすぎ

 

スマホやパソコンの使いすぎも自律神経に悪影響を与えます。

スマホやパソコンからは、ブルーライトと呼ばれる光が出ているのですが、実はブルーライトには交感神経の働きを強くする作用があるのです。

特に寝る前にスマホを使っていると、交感神経から副交感神経に上手く切り替えられなくなるので、注意してくださいね。

 

原因6 日光不足

 

自律神経を正常に働かせるためには、リズムを整えることが大切だと言いましたよね。

実は、1日のリズムを整えるために重要な役割を果たしているのが、日光なのです。

特に朝に日光を浴びることで、副交感神経から交感神経への切り替えをスムーズに行うことができます

また、日光を浴びることで、心身に幸福感を感じさせるセロトニンを出して、ストレスを和らげることもできるんですよ。

自律神経のリズムを整えるためには、日光を浴びることも大切なのです。

 

原因7 我慢

 

「我慢は体に良くない」と言われていますよね。

脳の自律神経をコントロールしている部分の周りには、本能や感情をコントロールしている部分があります。

さらに、本能や感情をコントロールしている部分の周りには、理性をコントロールしている部分があります。

自分が抱いた感情を理性で抑えようとして我慢すると、脳では混乱が起きます

我慢を続けていると、自律神経をコントロールする部分も一緒に混乱してしまい、自律神経が上手く働かなくなるのです。

日本では、我慢が美徳とされていますが、健康の観点から見ると、我慢しすぎないことも大切なんですよ。

 

 

4. 梅雨のだるさは自律神経の乱れにあり

 

季節によって体調が変化した経験はありませんか?

特に風邪を引いたわけでもないのに、だるさや疲労感、頭痛など様々な体の不調が表れやすくなるときがあります。

実は、季節による不調には、自律神経の働きが影響しているんですよ。

 

自律神経は季節の影響を大きく受ける

 

自律神経は外部の変化から体を守り、体内を一定の状態にコントロールする働きがあります。

外部の変化の一つに、気候の変化があります。

気温や気圧、湿度など日本は季節によって気候が大きく変わりますよね。

そのため、季節が変化するごとに自律神経はフル稼動して、体の中をコントロールしなければならなくなります。

特に季節の変わり目は、1日の中でも温度が大きく変わるなど、環境の変化が大きくなります

そのため、自律神経が働きすぎで疲れきってしまい、正常に働けなくなり、様々な体の不調が起きてしまうのです。

 

梅雨のだるさは自律神経の乱れが原因かも

 

梅雨は一年の中でも、体調が悪くなりやすい時期です。

6月の梅雨の時期は、ちょうど春から夏への季節の変わり目になります。

梅雨になると、体がだるくなって何もする気になれない日も多いですよね。

この梅雨のだるさの原因の一つに、自律神経の乱れが考えられます。

梅雨は、1年の中でも自律神経が乱れやすい季節にあたるのです。

 

梅雨の時期は心身へのストレスが多い

 

梅雨の時期に自律神経が乱れやすくなるのは、心身へのストレスが多くなるからです。

それは、梅雨特有の気候が大きく影響しています。

 

・雨と晴れ間の温度変化が激しい

 

梅雨の時期の特徴といえば、長く続く雨です。

雨が降り続いている時期は、1日の温度差はあまりありませんが、肌寒く感じるくらい冷えることも多くなります。

一方で、梅雨晴れと呼ばれるように、梅雨の合間に晴れになると、気温がグンと高くなります。

この雨の日と晴れの日の温度の大きな変化に自律神経が対応しきれなくなると、自律神経が乱れて不調を引き起こしてしまうのです。

 

・日照時間が短い

 

梅雨で雨が長く続くと、日照時間はもちろん短くなります。

一部の地域を除いて梅雨は1年の中でも日照時間が短くなる時期なんですよ。

自律神経は、25時間でリズムをとっている体の中を、環境に合わせて24時間に修正する働きがあります。

そして、体内のリズムを24時間に修正するときに利用されているのが、日光です。

梅雨の時期になってなかなか日光を浴びることができなくなると、自律神経が体内のリズムをコントロールできなくなり、正常に働けなくなってしまうのです。

梅雨の時期は、積極的に日光を浴びるようにしてくださいね。

 

・湿度が高い

 

梅雨の特徴といえば、湿度の高さです。

じめじめとした不快感はそれだけで、心身のストレスになりますよね。

また、梅雨で湿気が多くなると、汗による体温の調節が難しくなります。

梅雨の時期は、体温調節が難しくなるため、熱が体にこもって、熱中症にもなりやすいんですよ。

自律神経は、汗を出す量をコントロールすることで体温を調節しています。

そのため、湿度が高くなって汗による体温調節が上手くできなくなると、自律神経は体温を調整するために働きっぱなしになります

すると、自律神経がオーバーワークで疲弊して、正常に働けなくなるのです。

梅雨の時期は、除湿機能などを上手く使って湿気対策することも大切なんですよ。

 

梅雨の時期はリフレッシュ習慣をつけよう

 

梅雨の時期にだるさや頭痛などの不調を感じた場合は、自律神経が乱れている可能性を疑ってみましょう。

梅雨の時期に体調不良を起こさないためには、リフレッシュする習慣をつけて心身へのストレスを和らげることが大切です。

特におすすめの方法が、ぬるま湯での入浴です。

40度くらいのお湯で入浴することで、心身をリフレッシュさせることができますよ

 

 

 

5. 中高年は自律神経の乱れに要注意

 

自律神経は普段の生活の仕方や環境に大きな影響を受けます。

しかし、中高年の方の中には、特に不規則な生活をしていないのに、体の不調を感じる方も多くいらっしゃいますよね。

実は、中高年になると自律神経が乱れやすくなってしまうのです。

自律神経は加齢にも大きく影響されるんですよ。

 

年をとると副交感神経の働きが衰える

 

自律神経の中でもリラックスを担当している副交感神経は、働きが悪くなりやすいという特徴があります。

副交感神経は、加齢とともにどんどんと働きが低下してしまうのです。

そして、30代や40代の中高年は、副交感神経の働きが急速に悪化し始める年代にあたります。

 

中高年は自律神経のバランスが崩れやすい

 

年とともに衰える副交感神経に対して、交感神経は加齢による影響をあまり受けません。

つまり、中高年以降では、副交感神経の働きは弱いのに、交感神経の働きは強いままという状態になってしまいます

すると、副交感神経と交感神経のバランスが崩れて、様々な体調不良が表れ始めるのです。

 

自律神経が乱れると体が老ける

 

さらに恐ろしいのは、自律神経が乱れると老化が進んでしまうということです。

自律神経の乱れが老化をすすめてしまうのは、「血流の悪化」と「胃腸の働きの悪化」が原因として挙げられます。

 

・血流の悪化で体が老ける仕組み

 

  1. 加齢によって交感神経ばかりが強く働くようになる
  2. 交感神経の働きによって血管が狭まり、血液の流れが悪くなる
  3. 血流が悪くなると、細胞に栄養と酸素が届かなくなる
  4. 栄養と酸素不足の細胞は働けなくなり、劣化する
  5. 体全体の働きが悪くなって老化がすすむ

・胃腸の働きの悪化で体が老ける仕組み

 

  1. 加齢によって交感神経ばかりが強く働くようになる
  2. 交感神経の働きによって胃腸の動きが悪くなる
  3. 便が上手く出せなくなって便秘になる
  4. 腸内に溜まった毒素が、体中に回り始める
  5. 毒素によって細胞が傷つき劣化する
  6. 体全体の働きが悪くなって老化がすすむ

中高年は意識的に副交感神経の働きを高めよう!

 

中高年の方が健康的に生活するためには、副交感神経の働きを高める対策が大切です。

中でもおすすめなのが、ウォーキングストレッチです。

ウォーキングやストレッチには、血液の流れをよくして、交感神経の働きで緊張した心と体をほぐす効果があります

ウォーキングとストレッチを習慣にすることで、生活習慣病も防げますし、体力の維持にも役立ちます。

中高年こそ、適度な運動で気持ちのよい汗をかいてくださいね。

ただし、義務感に駆られた運動や激しい運動は、交感神経の働きを活発にして逆効果になるので注意してくださいね。