美肌にとって何よりも大切なのが、潤いです。
水分がたっぷりとあって潤いに溢れていると、肌は柔らかく弾力があり、透明感に満ちています。
また、潤いに溢れた肌は、外敵や有害物質を侵入させず、トラブルにも強いタフな肌でもあります。
潤いを守ることは、美容以外にも健康にとっても大切なんですよ。
それでは、肌は一体どのような仕組みで潤いを守っているのでしょうか?
★肌は3重のバリアで水分を保っている
肌を健やかに保つためには、肌の内部の水分が出ていかないようにしっかりとキープすることが大切です。
そのため、肌の一番上にある角層には水分を守るバリア機能が備わっています。
水分をキープするためのバリア機能が次の3つです。
バリア1 皮脂膜バリア
バリア2 天然保湿因子バリア
バリア3 細胞間脂質バリア
肌は、3段階ものバリア機能を備えることで、厳重に水分の流出を阻止しているんですよ。
★バリア1 皮脂膜バリア
まず、肌の表面の最前線で水分をガードしているのが、皮脂膜バリアです。
皮脂膜は皮脂や汗などが混ぜってできており、肌全体を薄くコーティングしています。
その薄さはなんと0.5ミクロンとも言われているんですよ。
ちなみに1ミクロンは、1mmの1000分の1の厚さのことを現しています。
皮脂膜は想像できないほど薄いベールなのです。
皮脂膜は、潤いキープ力の5%程度を担当しています。
★バリア2 天然保湿因子バリア
皮脂膜の下で肌の水分をしっかりキャッチしている第2のバリアが天然保湿因子バリアです。
天然保湿因子は、NMFとも呼ばれている成分で、角質の細胞の中にいます。
体からたくさんの手を出して水分をしっかりと掴んでくれているんですよ。
なんと、天然保湿因子は自分の4倍もの重さの水分を捕まえているとも言われています。
天然保湿因子は以下のような複数の物質から構成されています。
・アミノ酸:約40%
・ピロリドンカルボン酸:約12%
・乳酸ナトリウム:約12%
・尿素:約7%
天然保湿因子は、潤いキープ力の15%程度を担っています。
★バリア3 細胞間脂質バリア
肌の潤いをがっちりキープしてくれている最強のバリアが、細胞間脂質バリアです。
なんと潤いキープ力の80%程度も担当しており、潤いのキープには最も重要な成分なんですよ。
細胞間脂質は、角層にある角質細胞の間を隙間なく埋めている成分です。
サンドイッチのように上下に積み重なっており、間に水分を挟み込んで閉じ込めてくれています。
このサンドイッチ構造はラメラ構造と呼ばれています。
細胞間脂質には、次のような成分が含まれています。
・セラミド:約50%
・遊離脂肪酸:約20%
・コレステロールエステル:約15%
・コレステロール:約5%
★3つのバリア機能を維持が美肌の近道
残念なことにこの潤いキープの3つのバリア機能は、加齢とともに減少してしまいます。
また、間違ったスキンケアや悪い生活習慣でもバリアに異常が出ます。
美肌を保つためには、この3つのバリア機能を維持するケアが大切なんですよ。